半落ち
劇中に出てきた女の子。”真実”と書いて、まみ。いい名前だ。本当にいい名前だと思った。
けれどその字を嘲笑うが如く、嘘と利己心と、それから善意に塗れて、本編は進んでく。
- 出版社/メーカー: 東映
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なんていうのかな・・・正直なところ、言葉にならない。
人間の矛盾を突きつけられてるような気がした
断片的になるのを覚悟で、言葉ですくいあげるとすれば
「何のために生きるのか」「何が一番大切なのか」
それが登場人物それぞれに問われ、描かれていたと思う。
ここで、昔の自分だったらこう言ってただろう
「そんなの人それぞれで、決まってない」と。
頼むから相対主義の矛盾。自己言及のパラドックスを読んでくれ、と言いたい所だけど
今作はそれを「司法」という立場から見ることで、巧く昇華していたように思えた。
どんな事情があろうとも、どんな色々な観点から見た是非があっても
「判決」というたった一つの答で表さなければならない。それが、司法の世界。
”みんなそれぞれ正しいです”なんて甘い考えは通用しない。ある意味傲慢なんだけど。
―思えば、つくづく人間って汚いよな、整合性が取れてない。美しくない。
善意も、悪意も、愛も、憎しみも
全てが整合性を狂わせ、真実を塗りつぶす、災厄でしかない。
まぁそれさえも相対的に捉えるのであれば
僕が無矛盾を愛してるだけってだけなのかもしれないけど。