ナガシマの帰り


何があったって、簡潔に言うと迷った


帰り道を間違えちゃった「らしい」
伝聞なのは、僕は帰りはぐーすか寝てたから・・・。アハハハ、ごめんよ運転手―ヒゲ。


気づいたのは車内があわただしくなってからだった。㌧㌧とヒゲが、早めの口調で話し合っている。
S−ちゃん、彼は僕の隣で寝ている。(後部座席)
どうやら、高速の分岐を間違えてしまったようだった。


しかし少し進むと、岡崎〜〜km新城〜〜kmと案内板がある。
それで安心し、まぁ走れば国1に着くだろうと、楽観的に道をすすめた。しかしそれが間違いだった。


高速の降り口を離れると、すぐさま山だけの風景になる。案内版も見つからないどころか、対向車さえ居ない。
あわてて地図を取り出す僕ら、けれどそんな状態で、現在地をやすやすと見つけられるはずもない。
どこか目印を求めて、ひたすら走り続けるしかなかった。。。。


ちなみにそのとき、たぶんこの辺
既に周りには何も無い・・・・いや、木しかない。


そこからしばらく、㌧㌧は地図との睨みあい、他3人は標識を必至に探しながら車を進めた。
しかし夜の山道ってのは本当に尋常じゃない。
何とか地図で自分たちの位置はつかめた(気がする)も、一本道のはずが小さい脇道が何本も生えている。
道はうねり、方向感覚なんて1分で維持しきれなくなる。
対向車どころか、車線が1つしかない。ていうか草がガードレール。
唯一、いつもの道と変わらないところと言えば、夜空に浮かぶ半月だけだった。。。


そして迷う。
迷ったまま走り続ける。


たまに民家を見つけては一喜
分かれ道を見つけるたび一憂
そんな迷走劇が続いた・・・


しかしそれが1時間以上が経過した頃、そろそろ限界が近づいてくる
行けども行けども似たような道。地図の把握があっているのかも微妙。
「突撃晩ごはんやるしかねぇら」と、民家への訪問の話まで上がり始めた。
ちなみにそのとき22時過ぎ。晩御飯なわけがない。


それでも一冊の地図だけを頼りに、たまにある目印で現在地を確認(と言っても心許ない)しながら
「光」を求めて一心に走り続ける。
なんたって山道。車のライト以外の光なんて、存在しない。


かくてまたしても分かれ道に行き着いた。一回はまっすぐ進もうとしたとき、ヒゲが躊躇した
「なんか間違ってる気がする」
そうしてバックし、左の道を突き進んだ。後にこれが運命を決めた選択となる。


さらに30分ほど進めると、ついに道が開けてきた。
車線が2つある!嬉しい!
・・・と思えば、今度は民家が少なくなり、道のくねりが増してきた。
恐るべし、恐るべし山道。何がなんだか全くワカラン。


けれどそれでも進めていると、ついに僕らは希望の光を発見した
それは一機の信号機
ただの信号見つけて、これほど嬉しかったことは生まれて初めてだ。
それぐらい、皆疲弊していた。(精神的に)


その後、さらに岡崎公園行きとかいう道しるべを見つけ
さらには最強のオアシス、コンビニ(ファミリーマート)を見つけ
ついに国道1号線への道順を教えてもらった。


かくして、無事山道からの生還を果たしたのでした。
今思えば、よくこんなところから抜け出せた。
冗談じゃなく、運悪ければ車中一泊も覚悟しなければならなかった。


いつものも道へ戻り、文明の風景を噛み締めると
さっきまでの場所が、マジで夢のように思えてくる。
夜空に浮かんだ半月だけが、その夢との繋がりを、確固として示していた。


到着時刻、AM12:30
出発してから3時間半が経過していた。。。ちなみに行きは1時間半。2倍以上かかった・・・。