神様のパズル
- 作者: 機本伸司
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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夏休みに鳥人間コンテストで滋賀のHRVST宅へ行ったとき、貸してもらった本なんだけど
先日読み始めて、読み終わった。サンクスHRVST。
感想:めっちゃ面白かった
大学の物理ゼミに通う出来の悪い学生と、17才の天才少女を主な登場人物に
特殊相対性理論やプランク定数など小難しい話が出てくるんだけど
そーゆーの抜きにしても、青春ストーリーとして十分際立った作品だった。
少なくとも、物理ついてわけのわからん論争を終始続けるだけ、なんて作品ではない
起承転結はしっかりしてて、感情や展開の起伏も予想以上に大きく、エンタメ的な部分もある作品。
宇宙の作り方の研究をしながら田植えをするという、主人公の対比が素晴らしかった。
―しかし、そのうえで
自分の心に強く残ったのは、どこまでも物理にしがみつき、物理で全てを解決しようとする
序盤の天才少女の姿
「宇宙の始まりが答えの出ないものならば、この現実も非現実的なものに思えてならない。
この問題を無視して、生きている気がしないのだ。」
論としては間違ってると思うけど、気持ちはとてつもなくわかる。
さらに、こんな場面もあった。その少女の理論の構想が座礁したとき
部屋の電気を真っ暗にし、サブノートを投げ出して、壁にもたれかかってじっとしていた、と。
当たり前だけど寝てたわけじゃない。考えてたんだ。―もうこれ読んだ瞬間、人間的に一目惚れだよね。
何処の世界にこんな女の子が居るよ。
僕の観点で存在が美しいとは、まさにこういうことを言うわけだ。
まぁ1年365日そうである必要は無いにしろ
自分が信じたものに矛盾や妥協を許さない頑固さは、持っていたいと感じた。