エマ

エマ (1) (Beam comix)

その筋の人の中では随所で話題が上がる有名な漫画らしい。
けれど正直、僕は全然知らなかったし、興味もあまり沸かなかった。
絵も、、、それほど心に来るものは無かったし。

しかし、読んでみるとその理由もわかった。確かに、この漫画は趣きがあって面白い。そして切ない！
まず作風もそうだけど、ストーリーや雰囲気も含めて全部、まるで一つのオペラを見てる様
舞台は19世紀のイギリス。まだ身分の格差が横行していた時代。
そんな時代に、恋をしてしまった、上流階級とメイドの話。

まぁ、話としてはありがちなんだけどね。その魅せ方、テンポが素晴らしい。
そして、ものすご〜〜〜〜〜っく切ない！切ない！切ないぞこの漫画（涙）
なぜって、普通交際を疎まれるのは下の身分だけのが多いのだけど
この世界に至っては、上流階級のものが低身分のものに恋をすることも疎まれる。
もはや「卑しい私が・・・」なんて次元の話じゃなく　人々、社会、時代、全てが二人の障壁となる
しかしそれでも、想いを諦められないお互い。その気持ちに支えられ、物語は揺れながら進んでいく。

さながらロミオとジュリエッタの様。（触りしか知らないけど；ロミオとジュリエット）
ただ、もしロミオとジュリエットのようだと言うのなら、最後だけは違った形になって欲しい。
確か、ジュリエットは恋が叶わないのを悟り、最後は・・・・死んじゃうんだよね。

ヒロインのエマさんは、非の打ち所の無いぐらい良い人だから
そうなるのだけは、勘弁して欲しい。
先行き楽しみで、けれど不安な。そんな作品です。