僕が考えた永久機関の顛末

この前書いた記事の続き。
結論から言うとあっさり間違い指摘されて破綻した。



で、事の始めから顛末を書こうと思うけど


永久機関とは簡単に言えば「永遠に動き続ける機関」のこと。(厳密に言えば仕事をし続けるだけど)
ここで、物理をちょっとでも知ってる人なら口を揃えて言うだろう。「そんなものは理論上ありえない」と。
そんなことは僕だって知ってる。
けれど、それを言うのなら「僕の理論の何処がおかしいのか指摘してみな」てスタンスで考えを曲げなかった。


で、その考えた機関の図がコレ

水中にベルトコンベアがあって、それにコの字の形をした箱が何個か付いている。(箱には気体が入ってる)
さらにコの字の部分にはゴムが張られていて、ゴムには錘が付いている。
すると、左側の箱は錘の重さで体積が増加し、逆に右側の箱は体積が減少するので
左側の浮力の方が大きくなり、矢印の方向に回り続ける・・・というもの


自分でも粗探しをしたんだけど、見つけることは出来ず
特許に出願しようか迷うこと3年


それで今回、2chの物理板で検証をしてもらう展開になったわけ。
(未だに特許先取りされるか、不安な気持ちも混じってたわけだけどw)
で、上と同じような説明の発言をすると、次のようなレスが返ってきた

565 :ご冗談でしょう?名無しさん :2006/06/29(木) 14:46:54 ID:???
>>564(僕)
ハイゼンベルグ永久機関だな。

一番下でくるっと回るときは高い水圧に逆らってゴム膜を押さないといけない。
逆に一番上でくるっと回るときは低い水圧でしか押されない。差引は全体を
左回転させようとし、浮力による右回転をちょうど打ち消す。


まず・・・―機関に固有名詞が付いてた時点で、僕は9割9分諦めた。。。
なぜって既に不可能が証明されてることに他ならないから。


けれど残りの1分、諦められなかった理由それは
自分で物理計算した結果が、永久運動が可能であるという結果になってしまっていたから
さらに後から考えれば、1レス目の指摘を十分に理解出来てなかったってのもある。
よって僕は次のようなレスを返した


568 :564:2006/06/29(木) 20:24:01 ID:???
>>565
なるほど・・・既に同じようなものが提唱されてたのですか
それなら疑いようも無く不可能っぽい
教えてくれて、ありがとうございました。



ただ、、、未練たらしいみたいで申し訳ないんだけど
条件を以下の通り文字置きして、自分で計算してみたんです。
ベルトコンベアの頂点から水面までの長さを[a]
ベルトコンベア自体の長さを[L]
ボックスのゴム部の面積を[S]
錘の質量を[m]
ベルトコンベアの頂点を基準に、ゴム部までの長さを[x],[L-x]
そして、右側にあるゴム部が受ける圧力を[P1(x)]、同じく左側の受ける圧力を[P2(x)]として。
”P1(x)-P2(x)”>0となる条件を求めてみました。



そして、その結果が一応これ(計算式が間違ってる可能性も大ですが。。。)
http://mahorosan.hp.infoseek.co.jp/dialy/007.jpg



それによると、X=0のとき最小値になるんだけど
(↑このぐらいの位置が上で言われてた、打ち消しあう位置ですかね)
仮にその最小値>0として考えると
m>LS/2の条件を満たすとすれば、それが成り立ってしまうんです。
微分した関数も、単調増加を示しているし・・・。
それはつまり、常に右側のゴム部の方が大きい圧力を与えられているということになり
この永久運動が成り立ってしまうことになると思うのですが・・・



いや、「自分の考えた機関は絶対間違ってるはずが無い」なんて思ってるわけじゃなく
あくまで自分の計算結果が現実と食い違ってるのが、スッキリしないだけなんですけど
この計算結果についてどう思われるか教えてもらえませんか?


補足しておくと、状況を簡略(箱2つ)にした上で、体積の違い=ゴム面に掛かる圧力の違い、だから
左右のゴム面にかかる圧力をP1(x)、P2(x)とそれぞれxの関数で定義し
P1(x)−P2(x)が常に正であれば、右側の箱が常時体積が小さい=浮力も小さい・・・という式にしたつもり。


そして、それに対して返ってきたコメントがこれ


569 :ご冗談でしょう?名無しさん :2006/06/29(木) 21:04:03 ID:???
>>568
ゴム膜に働く水圧だけ考えちゃだめでしょ。ゴム膜の反対面への
逆向きの水圧も考えなきゃ。ま、その結果はアルキメデスの浮力の
原理が出てくるだけなんだけど。

で、>>568の絵の状態からだと最初は右回りに回り始めるのは
何の不思議もない。別にそこは否定していない。まさに左右の
浮力の差で回るだけ。左の箱は一番上まで行き、右の箱は下まで
行く。問題はその後、さらに回るには左上の箱は右上に行き、
右下の箱は左下に行かないといけない。このときに水圧に対して
ゴム膜が圧縮膨張する反作用で、箱は水圧から左回りの力を受ける。


・・・この2度目の説明で、さすがの僕でもようやく理解した。
なるほど反作用か!!!....と。




え〜ここで一応、わかんない人が居たときのために補足すると
http://mahorosan.hp.infoseek.co.jp/dialy/008.jpg ←この力のこと


ただ、みため反作用もそれぞれ逆の方向に力が働くから、打ち消しあって0になるように見える
けどここで忘れちゃいけないのが、2つの箱に掛かる水圧の違い
下の箱には、高い水圧がかかってるので、必然的にゴムの振れ幅・・・膨張率も小さくなり
上の箱は低い水圧の中でゴムが動くので、振れ幅は大きくなる


よって、同じように見える矢印でも、実際は上にある(水面に近い)矢印の方が大きくなり
その力はベルトコンベアを左回りに回そうとする
これが浮力による右回りの力と相殺して、箱がベルトコンベアを回るところで運動が止まってしまう
―以上が、この永久機関が動かない理由らしい。





・・・・納得だった。
完膚なきまでに、納得させられた。


昨日スッキリと書いたけれど、もはやそんなレベルじゃない
感動したよ。


自分がいくら考えても見つけられなかった間違いを、たった2レスで理解させられるなんて
ホント、物理が出来る人は凄いな・・・と思った。
人の計算式見て、たちどころに欠けている部分指摘できるところも・・・普通ありえんくね。


まぁーでも、結果的に僕がノーベル賞もらうことはなくなりました。
フ・・・儚い夢だったな・・・