機動戦艦ナデシコ〜AからBへの物語〜



てわけで読み終わった。短かったし。
内容も、もともとTV版と劇場版をつなぐために作られたものみたいだし、取立て大きな展開も無い。
空白の時間を埋める、そつないエピソードが、何個かあるって感じ。
一応、主軸はアキトとユリカの結婚に到るまでの話しなんだけど。


さて、そんな山無し谷無しのつまらない感想かといえば、決してそうではない
もちろんワクワクドキドキはしなかったけど、なんていうか・・・読んでて心地よかった。
やっぱ、あのキャラあの空気に、魅了されてるんだと思う。


作中でも、そのことは言葉として言及されていた
言うなれば”モラトリアム”
アキトが居て、ユリカが居て、その周りにバライティに富んだ、本当に富んだナデシコクルーがひしめいて
何かにつけては騒ぎ、笑い、喧嘩し、団結して
いわば一つの学校のような。クラスのような。お金や地位なんかとは懸離れた、そんな空間が形成されてたんだと


ルリが口癖のように発していた「バカばっか」ってクルーに対する発言も
それが、単なる侮蔑でも呆れでも無いように思えてくる
むしろそれは賛辞に近いんじゃないかな。
そして彼女自身も最後には口にする。「私も、バカみたいなので」


読んでて、本当に心地よかったよ。


この作品は、ある意味、大人になる前に一度は見た方がいいのかもしれない。
自分もそうであれる時期に。だから本当にオススメする。


―ただ、最後は(ry ネタバレ