秒速5センチメートルの小説版!?


ずいぶん遅い話題だけど、僕が知ったのが今なので勘弁。
「雲のむこう〜」、「ほしのこえ」がされてるのでいずれはされるだろうなと思っていたものの
まさか新海誠監督が自ら書くというのは想定していなかった。
そう、前の2つを書いた”加納新太”という作家ではないのだ。


とても、残念だった。


新海さんの文章は読んだことがないから、何も言うことは出来ないけど
少なくとも「雲のむこう〜」、「ほしのこえ」を読んだ限り
キャラや世界観を別にしても、加納新太さんの書く文章はとても好きだった。
特に「雲のむこう〜」は別格。あまりに良すぎてこんなレビューしか書けなかったけど、とにかく素晴らしい。


何が素晴らしいって
物語の雰囲気がそうだとは言え、小さい頃何かに熱中する気持ちが、余すことなく文章化されてると思うから

「自分の心臓が下からふっと持ち上げられたような心地がした」
「本気でなにかを作り出しているときというのは、何も聞こえなくなるし、言葉も出なくなるんだ」
「本を読んでいる今の自分がふっと消えて、本の内容だけがそこにあるっていう状態になることがあるの」

こんな言葉の数々が綴られてる。
僕は、人の気持ちをとても的確にすくいとった文章じゃないかと思う。
淡々と落ち着いたテンポで描かれた世界観も好き。


―だから
秒速5センチメートルの作家も、できるならこの人に書いてもらいたいと思ってた。
そういう意味で、残念。
まぁ、新海さんのが悪いと言ってるわけじゃないから、そこはそこで別に楽しみなんだけどさ。