フェルマーの最終定理 〜萌えて愉しむ数学最大の難問〜


フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理


前にアキバBlogで紹介されてたのを見て、興味を持ったので中古で買った。
とっつきやすい漫画と、専門的な説明が、交互に展開されて進んでいく内容だった。


感想は、文学少女の遠子さん風に言えば
「梅干しとチョコレートケーキを一緒に食べたような味がする」
両方食べるにはギャップが強過ぎ、かと言って片方だけだと酸っぱすぎた・甘過ぎた。


漫画はキャラ名に専門用語あしらっただけのものに見えたし
説明は単なる歴史背景だけならまだしも、問題の本質まで少ないページに詰め込もうとしたため
全体的に解説がおおざっぱでイメージさえつかめなかった。(自分が無知なのを棚に上げて言うと)
そのうえ両者にあまり関連性がなく、萌え本として出すうえの相乗効果が見えなかった。


まぁ話のネタとして使う分には、十分な内容なのかもしれんけど
僕はこういう本は、いかに自分の中の”宝物”と出会わせてくれるかに価値があると思ってるので
残念ながら僕にとっての価値はあまり高いものではなかった。


その意味では、やはり数学ガールが至高だなぁ。それだって全てが理解できるわけでは全然ないし
その本自身、問題の全てに焦点を当ててるわけじゃないと書かれてるけど
それでも、例え結論に至る過程の中の一つでも、ちゃんと自分で理解できたものは消えずに残る。
たとえば無限降下法による「原始ピタゴラス数が無限に存在する証明」がわかったときはちょっと感動だった。


まぁ漫画の中にあった「敢えて胸を張って答えよう。役には立たない。」
「数学の・・・特に数論の興味は数学という人類の発明品を、より完全な領域へ磨き上げることにある」
というキャラのセリフだけはちょっとかっこよかったけど。
肝心の解説をもっとじっくり書いて欲しかった。―てか数式の解説を縦書きで書いてる時点でちょっとね。